そして伝説へ

byKTA

とっちがスピード違反で捕まってから3日ほど経ち
やっとVT250の整備も終わってとっちの手元へとやってきた
幸いなことに免停とはなったものの
それを受理する書類がまだ届いてないので
免許の停止はまだ執行されていない

バイクが手元に来てから数日間
彼はあちこちと走りまわり風になっていた、と言うのを
メールのやり取りで伝え聞いていたのだが

そんな彼から今日電話があった
その時は仕事中で出れなかったのだが
俺の誕生日前後(7月24、25)に二人とも連休がある
だからその日は二人でどこかへ行こう
という話を前々からしていたので
おそらくはその電話だろう

仕事を終えてから折り返し電話をしてはみたものの
電話は繋がらない、今度は彼がバイト中のようだ
俺は、繋がらない電話を切りポケットへ入れ
そのまま帰路へと付いた

帰り道、何気に時計を見ると彼のバイトが
そろそろ終わる時間だと言う事に気が付いた

後で電話をするよりも、今少し直接話した方が良いかもしれない

電話代のことも考えてか
自分でもよくわからないがそう思い立って
俺は進路を彼のバイト先であるお洒落なバーへと取ったのだ

流石に作業着も着ているし
お洒落なバーに似つかわしくない俺が
店内に注文もせずただ入るのもあれだなぁと思い
俺はバーの前に着くと電話で彼を外に呼びつけようと
携帯電話を手に取った

その時だ、俺とも顔見知りである店長さんが
お客さんを送りに丁度外へと出てきたのだ

事情を話すと、中に入ってなさいと
快く俺を店の中へと通してくれた
なるほど、お客さんも居ないしそろそろ閉店時間だから
中で待ってろということなのか

そう思い中に入ると、8割程の席が埋まっているではないか
この店は仕事を終えた小汚い作業着を着た
俺みたいな小僧が入れるような店ではない
そもそも俺のような貧乏人が来れるような店でもない
そう、ここはブルジョアなセレブ達が本物の酒を求めて
来るような店なのだ

固まる俺
噴出すとっち

とりあえずポーズを決めてお勧めをひとつ頼んでおいた
この店にこんな格好で来たやつは俺が最初で最後になることだろう

その日は、お客さんの盛り上がりも良かったのか
閉店時間を1時間ほど過ぎてようやく最後の客が帰っていった
帰り際、リュックを背負った俺の格好を見てどう思ったのであろうか

店を閉めてからようやく本題に入る

K「さっきくれた電話なんだが」

と「あーあれね、いやヤフオクで
   買って欲しいのがあったから
     それをお願いしようと思ってねぇ」


K「って、それだけ? 他は?」

と「いやそれだけ、他に何かあったっけ?」

こいつ、すっかり忘れてやがる

K「いや、24日前後にどこへ行くのかなと思って」

と「あーあれね、とりあえず何処かへは行くと言う方向で」

K「ま、そうね、いつものことか」

そんなこんなで二人は店を後にし
その後、とっちがバイクでバイト先へ来ていたので
二人でバイクに乗って少し夜の闇を背に流す事になった
腹ごなしをして二人は一路小樽方面へ

 

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