それは俺が幼稚園生だった頃の話し その頃は 帯広に住んでいた なにぶん幼稚園の時の記憶なので鮮明には覚えていないのだが よく 銭湯(と言うか温泉なのかも・・)に行っていた記憶はある うちの家族は基本的に風呂好きなので よく行ってたのだ その日は札幌から 俺の従兄弟で6つ上のAチャン(女)と 4つ上のM君(男) が遊びに来ていたのでその夜は銭湯に行くことになった その銭湯 銭湯といってもかなり大きくて雰囲気としては ホテルの大浴場と言ったところだろうか いろいろな種類の湯船があって 子供が遊べるような滑り台なんかもあった そこで長旅で疲れてるAちゃん M君を連れて その銭湯に行ったのだ その時妹がまだ小さかったために 母が妹と留守番という形で 俺と父とAちゃんとM君の4人で行ったのだが 当然Aちゃん一人女の子なので 銭湯の入口で分かれた 俺とM君はとても仲がよく俺にとっては兄貴そのものだった そのM君と一緒に滑り台のあるお風呂に入ってると言い 父は父でサウナのところにいるからと言い 各々勝手にお風呂を満喫していた はじめ滑り台で遊んでいた俺達だが ずっと滑り台で遊んでるのも飽きてきて 今度は 怪しい薬草風呂やら超音波風呂など いろいろな風呂に入って回っていた そんなことをしている時に それは起こった カタカタ カタカタ ガタガタガタ ガタガタガタ グラグラ!! ガシャン!! 地震だった 震度は3程度のものだったのだが 銭湯の滑り台があったところの窓ガラスはすべて割れ さっきまで遊んでいた滑り台があったところは 窓側だったのでガラスまみれになってる 外の空気が入ってきて、辺りは湯気で何も見えなくなった 俺達は子供ながらにヤバさを感じ 一目散に外に出た 湯気の中で逃げまどう客達 その後の話でも、怪我人が出たって言う記憶は無いので 大丈夫だったんだと思うが居ても不思議じゃない事件だった 俺らが逃げていた一方で一人 女湯に居たAちゃんの居た女湯は ガラスが割れたりはしなかったけど 電気が消え 停電になり真っ暗な中 周りの人に紛れで脱出したとのこと 何にしても みんな無事で良かったよ え? 俺の父親は その時何をしてたかって? 俺の父はね 地震が起こる前 髪を洗っていて 隣に居た人と何やら世間話をしてたらしい カタカタ 父「あ 地震ですね」 「そうみたいですね」 カタカタ 「長いですね〜」 「そうですね〜」 ガタガタ 「結構ゆれますね〜」 「そうですね〜」 ガタガタ 「あーー」 グラグラ 「あーーー!」 ガシャン! 「ぎゃーーーー!!」 とかいって 俺とM君ほっぽって逃げたってさ・・・ まぁ 正確には逃げる途中で俺らの事を思い出して 戻ったらしいけど 人間やっぱり、とっさに自分を守ってしまうものさね |
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