ジュース伝説

byFAP

 

 

人は時に、つい人をからかってみたくなる

 

それはもちろん、ジョーク

つまり、悪い冗談などだ

 

からかわれた人も 「こいつぅ♪」 なんて

思ったり思わなかったりするが

それでも、その冗談は笑って許せる程度であると思う

 

そう、思っていた

 

by FAP

※以下より話す内容は、実際の話です


 

大学2年の夏

 

もうお馴染み、俺はNとIと遊んでいた

 

いつものように、ゲームやらトークやら身内嘲笑ネタ

ぐだぐだ過ごしていた

 

そして、あんまりやることもなくなり

 

N 「あ〜…、暇だし どっか行くか

 

俺 「ん? 何処行くんだ?」

 

I 「そんなの決まってるわけないしょ

 

N 「まぁな。つーか、俺らあそこしかないだろ

 

俺 「だな」

 

無駄にデカイ、Nの4WDの車に乗り込み

俺らは一路、約束の地へ…

 

そこは

 

マルチメディアレンタルビデオショップ

 

 

まぁ要するに

ビデオ・DVD・ゲーム・オーディオ・カメラ・雑誌・携帯

などが売っている、なんともメルチメディアな店だ

 

 

Q

何故、俺らがよくここへ行くか?

 

A

面白いキャラの宝庫だから

 

 

まぁ、とどのつまり

いじる対象の宝庫ということだ

 

 

俺ら、暇人すぎ!!!!!

 

 

…で、まぁ

そんな感じで、歩いてる人歩いてる人をいじり倒したのだが…

まぁ…書いたら色々と問題になるので、適度に省略するが

恐らく、本人が聞いたらマジギレするような内容

ということだけは言っておこう

 

 

そうしてると、ふと

Nがあるものに気付いた

 

 

N 「おい、アレ見ろよ!

 

I 「…あはははは! 意味わかんねぇ!!

 

俺 「あははは!確かに、謎だな!

 

 

俺らの視線の先

それは

 

正面にある、100円SHOPの

ジュースの自販機

 

ジュースを売っている一人の男

 

 

 

アイツは一体

何をやっているんだ……

 

 

すぐ隣に自販機があるのに…

あまつさえ、後ろには100円SHOPがあるのに…

 

 

どうしてそんなジュースが溢れているようなところ

わざわざジュースを人力で売っているのだ…

 

 

 

そんなナイスなキャラを、N達が逃すわけがない

 

車の中で

 

「アイツの家の母親がヒデェ親で、アイツはああやって出稼ぎに駆り出されてる

とか

「アイツ馬鹿だから、『外暑いし、売りゃあ誰か買ってくべ』とか思ってるぞ

とか

「クビになりそうだから、ノルマを達成しようとしてる

とか

 

もう、それ以上のことを言いまくりました

 

あ、言っときますけど

 

その言葉達は、全部冗談ですよ、冗談

It's a joke !! HAHAHA !!! ですよ

 

 

 

 

…まぁ、そんなわけで

車内ではもう、あらぬことになってる男の人ですが

当然、本人は知る由もありません

 

 

そんな時、不意にNがこう言いました

 

「じゃ、俺

チョット行ってくるわ

 

 

 

…は!?

と思う俺をよそに、Nが男の近くに向かっていきます

 

な 何をする気なんだ…?

 

 

そう思ってると、Nが

わざわざ男がいるところから、少し離れたところで立ち止まりました

 

 

 

 

Nが段々と男に近づいて行きます

 

 

 

 

N…… まさか… お前…

 

 

 

 

…やめろ!やめとけって!! それは人として酷すぎる!!

 

 

 

 

 

うぉおい

 

 

 

やっちゃった!

 

やっちゃったよ、あの人は!!

 

 

うわ

 

あの人、Nのことメッチャ見てる〜!!!

 

メッチャ睨んでる〜!!!!!!!

 

メッチャ怒ってはる〜〜!!!!!!!!!!!

 

 

 

…内心を想像すると、恐ろしいことになってるであろう男をよそに

 

Nがニヤニヤしながら帰ってきました

 

 

ヒデェ

 

この人ヒデェ

 

 

この、

悪魔!!!!!

 

 

そして、その日から

その人は一回も僕たちの前に

その姿を見せることはありませんでした

 

 

本当に、ごめんなさい

 

 

 

それ見て、大笑いしました

 

 

 

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