ドライブ伝説7

byKTA

序章

今回も前回に引き続きなのか、相棒は「とっち」
彼も就職が決まり、雪が解けうるころには
どこに行くかわからないと言う状態

こんな勢いの旅も最後になるかもしれないしと
なんとなく、どちらともなく旅話になった
思えばとっちとの歴史はドライブ伝説の歴史でもある
初対面はドライブ伝説の1回目であった

あの時の行き先はダーツで決めたが
今回はダーツではなく俺の行ったことの無い「稚内」
近いうちに行こうという計画は上がっていたものの
明確に何月何日とは決めていなく
俺がたまたまテレビでオホーツク海に流氷が来たという情報を知り

KTA「今なら稚内流氷見れるな、ところで稚内いつ行く?」

なんてメールを送ると、とっちから

と「じゃあ今から行くか」

と、なかなかナイスな返事が返ってきた それが確か出発した日の昼過ぎ
それから準備をして、とっちを迎えに行き
市内を出るころには60km、3時間も走ったよ
市内を出たのが3時半ぐらいだっけ札幌から稚内まで320km
いったい、何時につくのやら








第一章

その間に車内では、とっちと
流氷を見に行くなら、紋別まで足を伸ばそうという話になった

そんなこともあり、ルートは
札幌から日本海側の海沿いを上り稚内まで行き
紋別まではオホーツク海側の海沿いを下り
名寄、札幌と帰ろうかと話しながら、車を進めていった

札幌を抜け、走ること1時間、早くも出鼻をくじかれた
海沿いの道は通行止めだったのだ
別の道なんてありません
いや、本当はあるのだが、このクソ雪の中
冬季間閉鎖していない小道なんて無いんだよ!
ってことで、来た道を引き返す二人
無駄にガソリンを撒き散らした二人

結局、帰りに使おうと思っていた
札幌→旭川→名寄のルートで走っていたが
名寄についた頃には日も落ち
そこからは真っ暗な道をひた走る

回りには雪しか無い峠道
だんだんと雪はその激しさを増し
そしてだんだんと周りの車の数は減っていった

行きはまず浜頓別方面に向かいそのまま宗谷岬を目指したのだが
ちょうど浜頓別を出た頃からだろうか、雪は悪魔に変わった
海から吹きすさぶ浜風と陸からの地吹雪が混ざり
しばしば外の景色が白一色に染まる
幸い前に車は居なかったが、本当に居なかったのか確信ももてない
まさにホワイトアウトと言う表現が適切な吹雪

宗谷岬が近づくにつれ、だんだんと夜も更けていき
道も除雪がされているところのほうが少なくなった

吹き溜まりにタイヤを取られる事も多くなり
緊張の運転を続けると、少し家並みが見えてきた
そこの電話ボックスはこんな感じ




正直、写真を撮ってる場合ではないのだが
思わず撮ってしまった、こんなところで誰が電話するのだろう
ちなみに、この電話ボックスはちゃんと扉は閉まっていたが
恐るべき浜風で地吹雪が隙間から入り込み
中は雪まみれになっていた

途中にシェルターと名前のついた
トンネルの様なパーキングがあり
トイレが完備されてる、ありがたい
少し休憩をしよう、外に出てトイレに行き
車の後ろを見ると、こんな状態






どうやら、走行中の空気抵抗で数時間も走るとこんな感じ
そういや、何で前の車は雪下ろさないんだろう、なんて思って
今まで見てきたけど、なるほど、こういう理由だったのか

シェルターでの休憩を終え、吹雪の中をひた走り
ようやく俺たちは日本本土の北の果てへとたどり着いた
時間は12時を回っていた
これまでの吹雪で、入り口付近に、吹き溜まりがある
高さにして40cmはあるだろうか、それを無理やり車で突っ込み
記念碑がある近くまで車で近くまでのりつけると
早速とっちがドアを開けようとする

K「とっち! 悪いこと言わない、もう一枚上にジャンバーを着ろ」

と「KTAは着るのあるのか?」

K「ぬかりは無い、今回ガス欠で車の中で暖房が使えなくても
       どうにか死なない程度の防寒具は持ってきているさ」


と「流石だな、了解」

二人は車の中でジャンバーを2枚ずつぐらい着込み
カメラを手に外へと飛び出した
予想以上に風が強い、そして寒い
流石は日本で一番北の地点での真冬と言うところか

二人が命がけで取った写真がこれ







注目するべきは、日本最北端の地の文字ではなく
デジカメで捉えきれない雪のスピードと
そして、その軌道だろう、実際、雪は真横に飛んでたしな
体を30度ぐらい傾けても倒れない、台風を思い出した
絶対風速30mはある


ちなみに動画はこれ
※クリックで見れない場合は、右クリックから
 対象をファイルに保存でDLしてから見てみたください



Tシャツ、トレーナー、厚手のフリース、ダウンジャケット
これだけ着こんでもまだ寒い
5分と経たずに車の中に逃げ帰ってきた

ちなみに動画の最初

K「行ってくるよ」

と「死ぬなよ」

K「死なないよ!」

このやり取りは、ネタではなく、二人の正直な言葉である




第二章

さて、これでひとまず日本の最北端に行くと言う
俺たちのひとつの目標は達成された
次は流氷を見ると行きたいところだが
その前に、寝床を探すのが先決である

一瞬このまま、北の果てで寝るということも考えたが
この吹雪だ、起きたら車が動かないほど雪が積もると言うことも
考えられないわけではない
出来るならある程度人が居るところで眠りたい
ってことで、稚内の市街地まで行くことにした

ここから稚内がまた酷い雪
時には何も見えないまま、進むと言うありえない事態にもなり
また、吹き溜まりすぎた雪に突っ込んで車が止まったり
とにかくひどかったが
どうにか無事稚内の市街地に付き仮眠を取ることが出来た
駐車場にはアイドリング禁止なんて書いてあるが
エンジン切ったら死ぬ、寒すぎるぞ稚内

朝、日の出と共に目覚め、今日の予定を決める
空は昨日の吹雪はドコへ行ったのかと思うほどの快晴
ドライブ日和だ、さて今度は流氷でも見に行くか!


宗谷岬から稚内へ入ったので、そのまま稚内を南下
ある程度下ってから、今度はオホーツク海側を目指し浜頓別方面へ
そこそこ太い道だったが国道でなかったので
途中で道が冬季間閉鎖とか書いてたらどうしようかと
内心ドキドキしながら、走っていたが何とか開通されていた

通り道にクッチャロ湖と言う湖があるらしくブラっとよってみたけど
ドコからが湖なのかわからない。
見えるのは白鳥とクッチャロ湖の名前がかかれている丸太が一本







こんな感じ



白以外何も写ってない


どうでもいいけど
クッタリ湖、クッチャロ湖、クッシャロ湖、クッタラ湖とか
似た名前の湖多すぎないか、北海道

クッチャロ湖を後にしてようやく浜頓別
流氷の流れ着く海岸沿いにたどり着き
その海岸線を走りながら

K「なぁとっち」

と「なしたい?」



K「こんなに流氷があるとありがたみ無いな」


と「それを言うな・・・」


海沿いに出てからは地平線のちょい手前まで
ずーっと流氷の海面、最初の5分ぐらいはちょっと喜んだけど
飽きてきた、だってこんなんだもん





そんなこんなで、二人は流氷の街紋別へと到着
残念ながら今回は流氷の上に乗って漂流すると言う
目標は達成できなかったが、流氷館と言うところに入り
流氷を堪能してクリオネも見た、なんか観光してるって感じ
っつかクリオネって1センチあるか無いかの大きさだったんだね

ちなみにこれが紋別でみた実に流氷らしい流氷






なんか、水平線が丸いのは気のせいか?

最後には、アザラシの顔出し記念写真パネルで
写真を撮ってしまうほどすっかり流氷を堪能して

二人は札幌への岐路に着くのであった




終章

帰り道も旭川までは良かったんだよな、旭川までは

一度休憩を兼ねて旭川のビクトリアで夕飯を食べ
おなかいっぱいになって、満足して
とっちなんかスープバーで十杯も飲んで
さて、そろそろ札幌へ戻るかと車に乗り込み、発進

そこまでは良かったんだ、そこまでは
その後、丁度旭川市の境界線を越えるかどうかの
長いトンネルを抜けてからだったかなぁ






ホワイトアウト再び


今度のは宗谷の吹雪よりさらに凄い猛吹雪
だって、今回は確実に前に車が居るのに
しかも10Mほど前に、なのに
それなのにテールランプが見えない
別に雪が車の後ろにこびり付いているわけじゃないのに

たしかに前の車のテールランプは
トンネルの中では、煌々と灯っていた
それなのに今、前の車のテールランプが見えない
時たまほんのりと赤く光るが、目を凝らさないと見えやしない
俺はその、ほんのりと赤く光るテールランプを追いかけながら
必死に前へと進んだ
瞬きして置いていかれると
俺は次のカーブがどうなのかもさっぱりわからない
どこからどこまでが道路なのかすらもはや誰もわからないだろう
一応道路の上に、ここまでが道路と言う目印の反射板があるのだが
雪がこびり付いて、ちっとも反射しやがらない

そして、そんな状況は対向車線でも同じだろうに
なぜか対向車はかなりのスピードで走っている

そんな運転してたら、カーブで突っ込むぞ


なんて思っていたら


居ましたよ突っ込んでる車
しかも1台じゃない、3,4台は見たと思う
幸い(?)雪に突っ込んでるので、動けなくはなってても
命に別状があるとかそういう感じではなかったけどね
でも、もし重態の怪我人が出たら、この吹雪
この場所まで救急車は果たして来れたのだろうか?
俺にはちょっと想像できない


結局途中から、前の車は他の道にそれたので
俺が見える限りでは先頭になってしまった
つか、後方はもっと確認できないから
後続の車が居たのかどうかも疑問だが

先頭を走ってる間、目印が無くなり不安で不安で仕方なく
ハザードを付け、パッシングしたりもして
とにかく自分の存在をアピールしながら
頼りにならない反射板を頼りに必死に進んでいった

道路の直ぐ横は畑か何かだから
落ちる危険もある、助手席に座るとっちに
道路の切れ目を見てもらいながら、俺は必死に前だけを見て走った
走っていると途中で走るのを諦めたのか
パーキングで止まっている車もかなり居る

俺らも止まろうかと考えたが、俺は明日朝から学校なのだ
なるべくなら、家で寝たい

でも、命には変えられないから
どうにもならないと思ったら止まる予定だったのだけれども
そうして道を4時間ほど走ると
なんとか暴風雪地帯を抜けることに成功した
何とか無事みたいだ

それにしてもひどかった
途中でみた市街地は、国道以外の道がすべて雪で埋まっていて
家並みが見えるところもあったが
玄関の前は半分以上が吹き溜まっているありさま

なんだよこの吹雪、特に最後の吹雪は本気で危なかった
今までの経験の中で一番の暴風雪だ

でも局地的なものだったらしく
それを抜けてから札幌周辺は全然そうでもなかったのだが

結局家へついたのは2時過ぎ
こうして36時間の旅は終わりを告げた

なんてか今回は、運転に集中しないと死にそうだった(比喩でなく)
だからとにかく疲れたね


なかなか長い書き物になってしまったが
読んでくれてありがとうございました

今回ドライブと、これを書くことを通じて
一番手間がかかったのが
一番最初に載せた、北海道地図を作ったことなので

最後にもう一度見せ付けさせてください


 

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