byFAP

 

夜が怖くなった


急に自分が独りぼっちになった気分になる

何かに脅え、震えるような

思いきり叫びたくなるような

恐怖と焦燥感と孤独




『孤独』という響きに惹かれた昔

本当に独りになるということを

知らず、何も考えていなかった

ただそこに、憧れだけがあった

マンガの中の主人公のようになりたかった

そんなくだらない幻想だった




友達といると楽しくなる

大したことじゃないのに、妙に面白い


次は何をしようか、あれをしようか

いや、これにしようか


今、そのこと以外のことが

途方もなく、遠い彼方の出来事のように

記憶からなくなる瞬間

この楽しい時間がずっと続くと

疑うことをしなくなる瞬間


ささやかな至福のひととき




一日が終わり、もそもそと布団に潜り込む

薄い月明かりがカーテン越しにまぶたに映り

静寂と、ほどよい疲労感に心が安堵する



暗闇にいると、色々と思考してしまう


明日は何曜日だったか

明日は何をしようか

ああ、今日あんなことがあったな

はは、アイツとこういうことやったな



いつまで、こういう幸せな時間が続くんだろう






失いたくない

けれど、いつかは失ってしまうだろう


怖い

独りぼっちは怖い

独りぼっちにはなりたくない



自分が壊れてしまいそうになる

すべてを拒絶したくなる

逃げたくなる


怖い恐いこわい



乾いた自嘲や、寝返りで誤魔化そうとする

だけど、そんな心を無視して問いつづけてくる



いつまで、こういう幸せな時間が続くのだろう



やめてくれ


そう叫んでも、問いつづけてくる



やめてくれ

俺はそんな答なんて知りたくない

お願いだ、やめてくれ



心が震え、悲鳴を上げる







幸せと悲しみは紙一重だということに気付かされ

俺は夜が怖くなった

 

 

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