F1 ブラジルGP 雑感 byFAP
2007 F1ブラジルGPは、もの凄い面白かった。
結果から述べると、
ライコネンが1着、110pt (=10+100)
アロンソが3着、109pt (=6+103)
ハミルトンが7着、109pt (=2+107)、
シーズン
ワールドチャンピオンがライコネン、
2位ハミルトン、
3位アロンソ
(ハミルトンとアロンソと同pt、同1着回数だが、
2着回数はハミルトンが1回多いのでハミルトンが2位)、
感想を一言で述べるなら、「残念だった」。
それに尽きる。
フェラーリは応援していたし、シーズン通しての
逆転劇には十分心惹かれるものがあるものの、
ハミルトンのワールドチャンピオン獲得の魅力には敵わない。
逆境の中頑張り続けたライコネンには悪いが、
私にとってこのレースは残念な結果だった。
ライコネンはライコネンらしい、いいレースをして1位を獲った。
アロンソも彼らしい全力のレースで3位に入った。
ハミルトンもまたいいレースをしていたが、決定的に運がなかった。
運の尽きはじめは前GP、中国GPからだった。
このレースでもハミルトンはワールドチャンピオンへのチャンスがあった。
しかし、周回を重ねる中でのタイヤ磨耗、グリップ力の低下、
それによるピットロードに入る直前でのオーバーランという
ありえない形でのミスによるリタイヤ。ノーポイント。
今回のレースでは、スタート時にマッサに抑えられ2位、
ライコネンに抜かれ3位、その隙を突かれてアロンソにも抜かれ4位、
抜き返そうとしてのオーバーランでタイムロス8位と、
スタートしてわずか1週目で
2位→ 3位→ 4位→ 8位と、一気に6つも着順を落とした。
これもまたありえないミスだった。
だが、これだけならまだ挽回できた。
決定的だったのが8週目でのマシントラブル。
ギアボックスによるマシントラブルのためスローダウン、
一気に18位まで着順を落としてしまった。
これはもうハミルトンのミスとかそういう話ではなく、
ただただ「運がなかった」、そうとしか言いようがない。
その後ハミルトンはガンガンと着順を上げる
驚異的な追い上げを見せたが、結局7着でフィニッシュ。
ワールドチャンピオンには2pt、届かなかった。
ブラジルGPは誰かが1つでも着順を上げ下げすれば
ワールドチャンピオンが目まぐるしく入れ替わるという、
異常に緊迫した状況が最後まで続く、
近年稀にみるもの凄い面白いレースだった。
また2007シーズンのF1GPは
上位3名が1pt差の中で固まるという、
これもまた近年稀に見る大接戦のシーズンだった。
レースは面白かった。
シーズン全体も熱かった。
ライコネンの逆転も劇的だった。
それでも、残念だった。
私でさえこれだけ「がっかり」を感じているわけで、
ハミルトン本人の「がっかり」は想像もできない。
残念ではあるものの、
ライコネンがワールドチャンピオンに
ふさわしくないというわけではない。
苦しい逆境の中、着実に結果を残してきたライコネン、
優勝おめでとう。
…となるはずなのだが、
現在、ちょっと問題が起きている。
今回のレース、ハミルトンの上位の着順の2名が
燃料温度違反をしていたことが発覚した。
レース審査委員は「ペナルティなし」と決定を出したが、
ハミルトンのチームであるマクラーレンがそれに抗議をしている。
仮にこの抗議が認められ、2名が失格となれば
ハミルトンが5着に繰り上がりワールドチャンピオンとなる。
その一方で渦中のハミルトンは
「ペナルティでなく正々堂々とコース上で
タイトルを勝ち取りたい」と語り、
アロンソもまた、
「ライコネンからタイトルを奪ったら、
F1にとってはよくないことになる」と、
マクラーレンの抗議に疑問を投げかけている。
根拠はないが、おそらくマクラーレンの抗議は
認められない気がする。
というより、認められたらアロンソの言う通り
F1にとってよくないことになると思う。
ハミルトンのワールドチャンピオンは私も望んでいたが、
こういう形での獲得はスッキリとしないし、喜べない。
このような形で、今回のレースは非常に面白かったものの、
後味の悪い印象が残ってしまった。
今期はマクラーレンのスパイ疑惑、
アロンソとハミルトンの不仲、なんて事件もあり、
今回の燃料温度違反ペナルティ抗議の件も含め、
マクラーレンに対してのイメージが悪くなったシーズンだった。
来年のF1はクリーンな状態での
今期のようないいレースを期待したい。
余談だが、今レースがF1デビュー戦である中嶋一貴が
ピットクルーを撥ねていたのも実に印象的だった。
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